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運命を狂わす、禁断の真実「ユリゴコロ」吉高由里子 松坂桃李 松山ケンイチ 9月23日公開

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作品紹介

“吉高由里子、松坂桃李、そして松山ケンイチ。
“まほかるブーム”を巻き起こした、あのベストセラー・ミステリー小説が
豪華俳優陣を迎えて待望の映画化!

とある一家で見つかる一冊のノート。記されていたのは、悲しき殺人者の記憶。
この家族の過去に、いったい何があったのか。
それは運命をも狂わす驚愕の事実ー。

この幸せは、人を殺した罰ですか。”

ストーリー

“物語は、[一冊の告白文]から始まるー。
ある家族。一人息子の亮介(松坂桃李)が実家で見つけた一冊のノート。「私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか。」異様な一文で始まるそのノートは、すべてが一人称で書かれた何者かの告白文であった。
主人公は、美紗子と名乗る女(吉高由里子)。誰しもが生きていくために必要な“拠りどころ”、彼女のそれは”人間の死”であった。
殺人という行為から逃れる術を持たず、絶望の日々を送る中、洋介(松山ケンイチ)という男が彼女の前に現れるのだが。
過去と現在が交錯し、ノートに秘められた真相に迫っていく亮介。これは事実か、創作話か。誰が、何のために書いたのか。数々の疑念の先に、驚愕の真実が突きつけられる。”

  

試写会の感想

見終わった頃、半ばぐったりとしてしまった。衝撃的な物語と映像に、観る側もエネルギーを使ってしまう。話題作となるのは必至だろう。

松山桃李演じる主人公亮介は、実家の押し入れの中から一冊のノートを見つける。
ある殺人者の女性の告白文だった。怪訝に思いつつも、たちまち彼はその手記に引き込まれてゆく。

サスペンス作品と聞いていたが、想像以上に怖いシーンが多く、いくぶん滅入ってしまう。
殺人者美紗子を演じるのは吉高由里子だが、その幼い子供時代を演じる子役、中学生時代を演じる少女もみんな怖い。非情な殺人のシーンはむごたらしく、目をつむり顔を背けてしまった。

幼い頃から美紗子にとって世界は苦痛なものでしかなかった。少女には生きる支えのような、「よりどころ」がなかった。医者の言ったその言葉「ユリゴコロ」を彼女は必死に探し求めた。そしてある日彼女は知ってしまう。「人間の死」のみが彼女を癒し喜びを感じさせることを・・・
その時から人を殺すことだけが、彼女のユリゴコロになった。

美紗子の異質さにある意味リアリティを感じた。望む、望まざるに関わらず、人々はある種の性質や嗜好を備えている。多数派、あるいは法に触れないものなら良いが、人に言えないものが備わってしまった人も当然いる。最も理解されようのない特質を持って美紗子は生まれて来てしまった。彼女が選んだわけではなく、彼女のせいではないとしても。

人を殺め続ける美紗子。その告白文に夢中になる亮介。
彼自身にも変化が訪れていた。

次第に自らを貶めてゆく美紗子に運命の出会いが訪れる。
美紗子のあり方は救いようがなく、目を背けたくなる場面も多かったが、彼女を救おうとする松山ケンイチ演じる洋介と出会った時から彼女は変わり始める。やがて彼女は生まれ変わったようになるが、このいきさつもリアリティがあった。

恐ろしい殺人者であっても、妖しく美しい美紗子に感情移入してしまう。
彼女が救われ、幸せになって欲しいといつしか願っていた。

残虐なシーンもありながら、映像はアーティスティックでもある。
怖いのに、高い芸術性を感じさせる表現になぜか悔しさを覚える。

―あなたの優しさには、容赦がありませんでした。

孤独と恐怖、苦悩に満ちていた人生と、洋介への想いを綴る美紗子。
感情や愛から最も遠いところにいたヒロインが、愛を知ってしまう。
洋介が美紗子を愛するその場面は、積年の闇からの救出劇でもあった。
奇妙で甘美な描写はあまりにも強烈で目に焼き付けられた。

運命はドラマティックで、ロマンティックで、そして残酷だった。
恐ろしくて、切ない。狂おしくも美しい愛の物語を味わっていただきたい。

 

「ユリゴコロ」予告

スタッフ/キャスト

原作:沼田まほかる『ユリゴコロ』(双葉文庫)
脚本・監督:熊澤尚人
キャスト:
・吉高由里子
・松坂桃李
・松山ケンイチ
・佐津川愛美
・清野菜名
・清原果耶
・木村多江

企画・製作幹事:日活
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
製作:「ユリゴコロ」製作委員会
配給:東映/日活
上映時間:128分

公式サイト

(C)沼田まほかる/双葉社
(C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

「ユリゴコロ」9月23日(土)全国公開

道内公開劇場

  • 札幌シネマフロンティア
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  • イオンシネマ釧路

Writer Profile

kana
kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなのでHMRライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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